オバマ大統領

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Cool head and warm heartというか、
Cool head, warm heart and strong spiritのオバマ大統領。


貧困問題を何とかしようと研究者の道を歩みながらも、
なかなかstrong spiritがなくて、毎日全力投球!というような研究生活ができていないわが身を振り返る。


今はマイクロファイナンス論文のリバイズで、
ベトナムでやったゲーム実験の繰り返しゲームのモデルを作っているのだが、
なかなか遅々として進まない。。。
strong spiritで、集中してぱぱぱっと終わらせてしまいたいところだ。
がんばれ、自分。

Reading Group

毎週火曜日に、同僚6人くらいでローテーションして、
Econometrica, AER, JPE, QJEの最新論文を報告しあう集まりを開催している。


先週は

Gabaix, Xavier and Landier Augustin (2008) “Why Has CEO Pay Increased So Much?” QJE 123(1)

今週は

Rasmus Lentz and Dale T. Mortensen, “An Empirical Model of Growth Through Product Innovation,” Econometrica, forthcoming.


Gabaix and Augustinのは、
CEOの能力が企業規模と補完的で、
大きな企業ほど能力の高いCEOを雇用するAssortative matchingのモデルを作って、
CEOの能力が観察できない問題については、ほとんどの分布については分布の端の方の形はある関数で近似することができるというExtreme value theoryを使うことでクリアして、
企業価値に対するCEOの能力の貢献分と、企業規模の拡大の貢献分を推計して、
そこから求めたパラメータから、
最近のCEOの給料の大きな上昇は、企業規模が拡大したことでほとんど説明ができる、
ということを示した論文。

Specificationが本当に正しいかどうか、という問題はあるものの、
モデルを作って、その解を推計可能な形に書き換えて、そこで得たパラメータから関心のある問いに対する答えを導き出せる、
という、モデルを書くことの強みを生かした論文で、かつ、
通常観察されない変数に関しても、分布の端の方に限れば分布関数の形は近似できる、というExtreme value theoryをうまく応用した論文で、
とても参考になった。


Rasums and Mortensenのは、
Product Innovationの入った経済成長のモデルを考えて、
生産性の高い企業ほどInnovationして規模を拡大していき、
労働者もその過程で生産性の低い部門から高い部門へ移っていくような、
労働者のReallocationを明示的に入れたモデルを作ってカリブレーションしてあげると、
Reallocationの経済成長効果は少ないという先行研究とは異なって、
現実の経済成長のうちの53%ほどは低生産性企業から高生産性企業へのReallocationで説明できる、
というもの。

どういうモデルを作るか(どういう要素を考慮するか)で出てくる結果がかなり変わっちゃうんだねえ・・・
という、まあ、当たり前のことを改めて実感。