話を聞かないインド人

Ultra Poorに関する共同研究の打ち合わせのために、
共同研究候補先のNGOのオフィスを訪問した。


おとといも一度会って話していたのだが、
ここのボスは、とにかく人の話を聞かない。
インドの組織の階級の上に位置する人にほぼ共通して言えることなのだが、
ほんっっとうに人の話を聞かない。
一方的にべらべらしゃべるだけ。
前回は聞き手に回りすぎたと反省して、
今回はきちっと言うべきことは言い、正すべきことは正そうとしたが、
「プロジェクトのターゲットを・・・」
とこちらが言い始めると、
「プロジェクトのターゲット」という言葉に反応して、
こちらの話をさえぎって、
「プロジェクトのターゲット」という言葉から自分が連想できる限りのあらゆることをしゃべりつくして、
そのまま別の話に持っていってしまう。
「いや、こっちが話そうとしている要点は」
とその話をさえぎろうとしても、
そのままお構いなしに何の関係ない話を続けてしまう。
そして同じ話が何度も何度も繰り返され、
そうしているうちに次の予定の時間が来て、
こちらが話そうとしていたことの10分の1も話せずに終わってしまった。。。


結局、こことは共同研究はやらないことにした。
こんなに話を聞かないのでは、
一緒に生産的な仕事ができるはずがないし、
自分の考えていることだけが正しいと思い込んでいて、
人の意見をまったく聞こうとしない。


さらに、
Ultra PoorのプログラムについてはConfidentialで、
こちらがUltra Poorの人と会ってもだめ、
彼らが集めた情報についても見せることはできない、
具体的にどんなプログラムをやるのかも詳しくは教えられない、
出す情報には、厳しく制限をかける、と言っている。
それじゃ、まともな研究できないよ。。。


その人が言うには、
Urban Ultra Poorの問題は、
他でやられたことのないTotally new, Totally differentなプログラムで、
他の機関がアイディアを盗もうとするかもしれないから、
どんな情報も出せない、とのこと。
もう一つは、情報を出すと外の人が意見を出したりしてくるが、
それは現実を知らない意見だから信用できない意見で、
そういう意見はシャットアウトしたいからどんな情報も出したくないとのこと。


うーん。。。
他の機関がアイディアを盗むって。。。
Urban Ultra Poorの問題は確かにこれまでほとんど対処されてこなかったかもしれないが、
それに対してやろうとしているのは、
職業訓練だったり、教育だったり、生産的資産を提供することだったりで、
新しくもなんともないんだけどな。
それでもUrban Ultra PoorのプログラムはTotally newなんだと言い張っていて、
これが史上初の試みなんだと意気込んでいる。
だとしても、本気で社会に存在するUrban Ultra Poorの問題をなんとか解決しようと考えているのなら、
やろうとしていることをある程度オープンにしていろんなバックグラウンドを持っている人から意見を聞いたり、
Urban Ultra Poorの問題が重要だと他の機関にも呼びかけて、
その解決のために共同歩調をとったりするのが本来あるべき姿だと思うのだが。


結局のところ、
他の機関が盗むから隠すというのは、
他の機関にはなるべく気づかれずにプログラムを進めていって、
「Urban Ultra Poorのプログラムを史上初めて実行して成功しました」
と宣伝して、
有名になりたいだけ。


Fund raisingのために有名になることが必要なのかもしれないが、
プロジェクトに必要な資金が必要なのなら、
Urban Ultra Poorの問題が本当に重要だということを先頭に立って呼びかけていくべきで、
ほかの人に真似されないように隠れてプログラムを進めよう、
というようなことは効果的じゃないように思う。
結局、有名になってもてはやされたいだけなんだね。


こういうようなところと共同研究をすると、
研究結果にまで介入してきそうだし、
もっと良いプログラムにしようとこちらがいろいろ考えて意見をしても、
Realityを知らないといって聞く耳をもたれないだけだから、
何にもいいことがない。


しかしまあ、
やろうとしていることに何にも新しいことがなくて、
Urban Ultra Poorにターゲットを当てているくらいが新しいのに、
それを、
Totally newだとか
No body has doneだとか、
自信満々に声高に叫ぶそのセンスに、
ただ、ただ、あきれる。。。


Urban Ultra Poorを利用して、それが新しいように見せかけて、有名になりたいだけなんでしょ。
まあ、有名になりたい欲望が強かったら、成功させようとがんばるはずだから、
NGOセクターが努力するためのインセンティブとしては良いのかも。