途上国の医療をITで変える

日系ビジネスオンラインに、
途上国の医療を改善するためにITを使うという記事が書かれている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091007/206545/?P=1


マラリアHIVに関する現状調査の際、携帯電話で聞き取り結果を直接デジタル入力して、調査データの集計時間を節約し、最新の情報がすぐに得られるようにする。
医師不足を補うために、農村を回るヘルスワーカーがガラス板などに血液を採り、携帯電話のカメラで撮影して病院に送信して、医師に画像を分析してもらう。


ということが書かれている。


ほかにも、インターネット接続さえ改善されれば、
各地のクリニックをインターネットで接続して、
Skypeを通じて都市にいる医師が診察することで、
農村の医師問題を解決することが可能だし、
インドのマイクロ保険プロジェクトで協力してもらっているNGOも、
実際にそのような技術を採用して
いくつかの農村で遠隔医療プロジェクトを始めている。


そもそもヘルスワーカーや農村の看護士がきちんと働いていないという現状(たとえば、Banerjee, Deaton and Duflo, 2004, “Wealth, Health, and Health
Services in Rural Rajasthan,” American Economic Review Papers and Proceedings 94(2), 326-330.)もあるので、
実際にITを使った医療をワークさせるためには、
インセンティブ設計をきちんと考える必要もあるけれど、
絶対的なresourceが足りない途上国の状況を改善するために、
ITが有効な解決策を提供できる可能性もある。


アメリカでは、MITやスタンフォードの学生が、
こういう携帯電話を使った途上国のためのモバイルシステムの開発を行っている。
JICAは国際開発論文コンテストだかそんなのをやっているけれど、
理系学生の国際開発への技術貢献を引き出すように、
途上国開発に役立つような技術アイディアのコンテストもやってみたらどうだろう。