明日は最終日

とうとうインド出張も、
残すところ明日のみ。


今日は、
マイクロ保険のマーケティングをする村に行って
調査員のトレーニングをして、
それからマイクロクレジット機関に行って、
Impact Evaluationに関するミニレクチャーと、
来年4月から共同研究をスタートさせる
Ultra poor programの素案に関するコメントを行った。


Impact Evaluationについては、
Naiveな方法がなぜいけないかということと、
Randomized trialやPropensity scoreやRegression DiscontinuityやDIDIDやLATEについて説明。
でも、Impact Evaluationだけでは、
なぜ効果があったのか分からないので、
その背後にあるメカニズムを理解することが
External validityを高めるためにも重要であることを力説。
カニズムの解明のためにどんなInformationを集めるかは
Theoryが案内役をしてくれる、
インドの都市のUltra poorには何か他とは違った要因が働いているかも知れず、
それについて解明するのももちろん大事だが、
かといって他と違うということを言うだけでは何も明らかにしていないことと等しいので、
彼らがUltra poorにとどまってしまっているメカニズムを明らかにし、
その上で特にCrucialな要因をデータから明らかにしていくことこそが、
どんなプログラムを行うべきかの新たなガイダンスを与えてくれるはずだ、
と力説。


マイクロクレジット機関の人も、
インドにはCenter for Microcreditという、Harvard/MITやYaleがRandomized trialsを実施している機関があるので、
Impact evaluation(特にRandomized trial)については、結構なじみがある様子。
どちらかというと、背後にあるメカニズムを明らかにして、
何か
Something new which has not discovered but can help the poor
を見つけていくことが大事だ、
という話に激しく同意してくれて、
適当にRandomizeしてImpactだけ測って偉そうにしている一部のAcademicianにはちょっとうんざりしている様子。


Impact Evaluationの流行は、
我々に、推計の際のIdentificationに関して十分な注意を払うべきことを喚起してくれ、
また、多くのプログラムが期待していたような効果をもたらしていなかったことを明らかにしてくれた点で非常に意味があったと思うが、
なぜ効果がなかったのか、
その背後にどんなメカニズムがあるのか、
それを明らかにすることが、今後の潮流になっていくのではないか(というか、潮流になっていくべきではないか)と思う。


Market Designが注目を集めている最近の流れに乗って、
「Program Design」みたいな研究の流れが、出てくるんじゃないかな〜。
(というか、研究者の一人としては、こんな傍観者的な言い方じゃなく、
そんな流れが正しいと思うのなら、それを作っていく努力をしていくべきなのだが)