Heteroskedasticityがある場合のWeak instrumentの基準: F>10じゃ不十分

今日のランチセミナーはWeak instrumentについて:
"Is F>10 Enough? A Heteroskedasticity and Autocorrelation Robust Pre-Test for Weak Instruments"
http://www.people.fas.harvard.edu/~pflueger/RobustWeak.pdf


操作変数が内生変数との相関が弱い場合には
有限標本では2SLSはバイアスが出ることが知られているが、
通常、操作変数がWeakでない、ということを示すには、
Stock&Yogo(2005)が提示した、
第一段階の推定でF>10、
となっているかどうかをテストする、というのが定着している。


しかし、Stock & YogoのF>10という基準は、
均一分散を仮定した場合の数値であり、
この論文では、
不均一分散を許容した場合に、
Stock & YogoのF>10という基準は不十分なものであり、
調整したF(effective Fと論文中では呼ばれている)を使った上で
effective Fが17〜23以上(操作変数の数や不均一分散の程度に依存)必要、
ということが示されている。


Labor Economicsのランチセミナーでのエコノメ理論の報告ということもあって、
みんな「ふーむ」という感じで活発なディスカッションはなかったけど、
今後2SLSなどを使って論文を書く際には、
避けては通れない論文になりそうだ。