メモ

Heteroskedasticity-Robust Inference in Finite Samples
Jerry A. Hausman, Christopher J. Palmer
NBER Working Paper No. 17698
http://www.nber.org/papers/W17698


実証分析では通常ロバスト標準誤差を使うが、
小標本だと結構不正確で、過小推計して本当は有意じゃないのに有意な結果を出してしまうことが知られている。
それで、小標本の場合は標準誤差をConservativeなものにするためにHC2とかHC3を使ったりするわけだけど、
それに代わる新たな方法をハウスマン先生が提示してるらしい。



Investing Cash Transfers to Raise Long-Term Living Standards
Paul J Gertler, Sebastian W Martinez, and Marta Rubio-Codina
American Economic Journal: Applied Economics. Jan 2012, Vol. 4, No. 1: Pages 164-192
http://pubs.aeaweb.org/doi/pdfplus/10.1257/app.4.1.164

メキシコのCash transferプログラムのうち、受給額の26%が生産的投資に使われ、受給後18カ月後の収入は10%増、長期的な消費増加にも効果があるかも、という研究。



The Long-Term Impacts of Teachers: Teacher Value-Added and Student Outcomes in Adulthood
Raj Chetty, John N. Friedman, Jonah E. Rockoff
NBER Working Paper No. 17699
http://www.nber.org/papers/w17699
「良い」教師(教師の良さなんて色々あるし全部を計測できるわけでもないので、最も情報が手に入りやすい学校のテストの成績を上げてくれる教師)に教わった学生は、大学進学率も給料も老後の為の貯蓄も高く、下位5%の先生を平均レベルの先生に入れ替えることで生徒の生涯収入が25万ドル以上増えるという実証研究。



Breaking Bad Habits
Why It’s So Hard to Change
http://newsinhealth.nih.gov/issue/Jan2012/Feature1

セルフコントロールは、筋肉のごとく、
使うと疲れる。
セルフコントロールを何回か使っているうちに疲れてきて、
結局誘惑に負けてしまう。
でもトレーニングすれば強くなる。
そしてこの記事では、
どうやって悪い習慣を打ち破れるか、
いくつかの方法を紹介している。
行動経済学だとセルフコントロールへの対処はコミットメント装置だけど、
それも役に立たないハードコアな人の問題を解決できる知見も有効活用できるといい。
今のままじゃ駄目なことは分かっているけどなかなか変えられない、
セルフコントロールで頑張るけど、セルフコントロールを使ってるうちに疲れてきて
最終的には誘惑に負けてしまう、
なかなか悪い習慣から抜け出せない、
そんなセルフコントロールや習慣にまつわることで苦労している人や家族も多いと思う。
そういう人たちをサポートできる政策なりサービスなりがあったらいい。



http://www.minneapolisfed.org/publications_papers/pub_display.cfm?id=4785
このDufloのインタビューは良記事。
基礎力とアイディアを併せ持った新世代がどんどん台頭してきて研究者的には旬は過ぎた感もややあるけど、Dufloがどんな問題意識を持って研究してきたのか分かる。きちんと自分の比較優位を認識しててブレてない