生産関数の推定

生産関数の推定には、
Dynamic Panelや
投資額を使ってUnobservable productivityをCaptureするOlley-Pakes(OP)
投資額がゼロのことが多いので中間財投入量を使ってUnobservable productivityをCaptureするLevinsohn-Petrin(LP)
などがよく使われているけれど、
Ackerbergたちのこの論文によって
http://www.econ.ucla.edu/ackerber/ACF20withtables.pdf
OPとLPはMulticollinearityの問題があることが指摘されて、
特にLPでパラメータが推定できる状況というのが非現実的すぎて、
LPはもう使えない。


OPは、労働が完全にFlexibleじゃないという想定のもとで使えて(ただしCapitalは正確にt-1期で決まることが重要。t-1期以前に決まってしまってもだめ)、
AckerbergたちのOPの修正版では、労働がDynamic impactを持つときも扱える。
ただしCapitalは以前として正確にt-1期で決まる必要がある。


Dynamic panelは、
生産性のevolutionがAR(1)でリニアに表現できる、という制約がきついが、
Capitalのタイミングに関してはよりFlexible、
ということもAckerbergたちは書いている。


そんなこんなの展開の中で、
Gandhi, Navarro, and Rivers (GNR) は、
最適化の一階条件という別の制約を課して
中間財の情報を使って生産関数のパラメータを推定する方法を提示。
http://www.ssc.wisc.edu/~agandhi/homepage/Amit_Gandhi_files/Production_GNR.pdf
AckerbergたちもLPの修正版を提示しているけれど、
それに対してGandhiたちはダメだししていて、
Ackerbergたちの方法だと生産性の違いを過剰に推定してしまうことを示している。
本文では完全競争下の一階条件を使っているけれど、
不完全競争の状況にも拡張可能。
これは論文には書いてないので推測だけど、
OPとかLPとかは投資や中間財に影響を与えるUnobservablesがUnobserved productivityひとつだけ、というScalar unobservable assumptionが投資関数や中間財投入関数のInversionのために必要だったけれど、
GNRはInversionもしてないし、
Unoberved productivityの部分が、中間財需要も最終財生産も同じように影響することを利用して比を取ってキャンセルアウトしているので、
Scalar unobservable assumptionがなくてもいけるかもしれない。
Capitalのタイミングについても、t-1期以前に決まることを許容できるし。


ということで、
生産関数の推計は、これからはGNRが使われていくことになりそうだ。