内需

ここしばらくは、論文のリバイズ。


ところで、読売新聞で、

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090925-OYT1T00397.htm
安政策を取らずに円高になれば、輸入品が安くなるなど内需振興に寄与しやすいとの見方があることについて、藤井財務相は「そういう意図した為替政策は取らない。為替市場は自由経済の牙城で、安易に公が介入するというのはどうかと思う」との認識を示した。


などという記述があった。


藤井財務相の発言で円高気味になって輸出関連企業の株価が下落している、
ということが話題になっていて、それはそれとして、
その前の文の、
「円安政策を取らずに円高になれば、輸入品が安くなるなど内需振興に寄与しやすいとの見方」
という記述が引っ掛かった。


円高になれば内需振興に寄与しやすい」って、
どこのインチキ評論家が言っているんだろう?
内需」というのは、国内総生産GDP)のうち、自国内で消費されるものだと思うのだが
(たとえば、 http://m-words.jp/w/E58685E99C80.html )
円高になって輸入品が安くなれば、
国内企業の製品はその分国内で売れにくくなって、
内需も減少してしまう可能性がある。
実際には、
中間財を輸入して国内で最終財を作り国内市場に売る場合には、
輸入中間財が安くなった分最終財価格も下げられるから、
そういった最終財製造企業にとっては販売額が増える可能性もあるが、
それだって、国全体の内需に与える影響については、
その中間財と競合している国内企業があるかとか、そういうことも考えないといけない。


こういう話はきちんとした実証研究にのっとって行われるべきなのに、
そういうことを踏まえないでいい加減に思いつきで発言するインチキ評論家が多すぎるし、
マスコミもそういうインチキ評論家の話をさも信憑性の高い話のように報じるから、
日本の経済政策もそれを論じる議論も的を得ないものになってしまってる。