サーベイが人々の行動に与える影響

去年のNBERでのKremerの講義を今更ながら視聴。

http://www.streamingmeeting.com/webmeeting/matrixvideo/nber/index.html


興味深かったのは、
午前のセッションで報告していた、
調査自体が人々の行動に影響を与える可能性について調べた
いくつかのフィールド実験の結果。


人類学の人たちが、
調査員が入ること自体がそこの社会の人々の行動様式を変えてしまう、
ということを問題視して、
調査の仕方などいろいろ考えたりしているが、
実際に調査の頻度をランダムにして下痢の頻度を調べたり、
サンプルに選ばれた人と選ばれなかった人の保険の購入確率などを調べたりしてみると、
調査の頻度が高いグループでは下痢の報告が低く、浄水もきちんと行われている確率が高かったり、
調査サンプルに選ばれた人の方がその後の保険購入確率が高かったりなどしていて、
調査自体が人々の行動を変えてしまうという仮説が支持される結果が出ていた。


調査員が入ること自体がそこの社会の人々の行動様式を変えてしまう、
という話は人類学系の人から聞いていたけど、
その時は、じゃあ実際にそれが本当か試してみる、というアイディアは浮かばなかった。
これからは、別の分野の人から思いもかけなかったことを言われたら、
じゃあ実際にそれが本当かどうか試してみる方法を考えるように心がけよう。