The Political Economy of Deforestation in the Tropics

今日の開発セミナーは、
Ben Olkenの
"The Political Economy of Deforestation in the Tropics"
http://econ-www.mit.edu/files/6121


分権化が進んだインドネシアで、
Districtの数が増えたことで、
Districtが多くあるような県では、
District同士の森林資源開発の競争により、
森林伐採が増えた、という話。
MODISという航空写真のデータを使って
森林伐採が進んだかどうかを調べて、
それがDistrictの数の変化とどう関係しているかを調べている。
また、
選挙が近付くと違法伐採が増えたり(賄賂もらって選挙資金をためたり、選挙の人気取りのために取り締まりを弱めたため?)、
石油やガスからの収入が増えると森林伐採が減った、
という結果も出している。


森林伐採の問題を考える際には、
地方政府間の競争や選挙サイクルなど、
地方政府のインセンティブも考慮したPolitical Economyを考えることが重要だということを示していて、
興味深かった。
このペーパーは、
分権化で地方政府間の競争が促されたことにより森林伐採が進んだという結果で、
途上国でも分権化が進んでいるけれど、
環境保護とか外部性がありそうな分野では、
分権化がよくないケースもある、
ということも示唆しているように思う。


しかし、Ben Olken、発表の仕方とか質問・コメントへの対応の仕方とか、うまかったな。