Indian micro-credit crisis puts poor women in a bind

昨年、Andra Pradeshでマイクロクレジットの借り手の自殺が起き、
州政府がマイクロクレジット機関への規制を強めた結果、
人々は新たなマイクロクレジットを受けることができなくなり、
以前のように高利貸しに頼るようになってしまった。


その一方で、
マイクロクレジットを借りていた人たちは、
政府がマイクロクレジット機関の取立て活動を制限して借り手を訪問できないので支払い圧力もなく、
政府が借金を帳消しにしてくれるかもしれないことを期待して、
支払いを止めてしまっている人たちが多い。


そんな話が、ワシントンポストの記事で紹介されている。
Indian micro-credit crisis puts poor women in a bind
http://www.washingtonpost.com/world/indian-micro-credit-crisis-puts-poor-women-in-a-bind/2011/04/21/AFpckbsE_story.html


政治的に人々が支払いをするインセンティブが小さくされている状況では、
マイクロクレジット機関も融資を行えないので、
融資を受けたい人たちにマイクロクレジットは供給されず、高利貸しに頼るようになってしまっている。
ある個人は返済をするインセンティブが高いとしても、
それをマイクロクレジット機関が観察できないという情報の非対称性の問題があるので、
そういう人たちにもなかなか融資が行われない可能性が高くなってくる。


どうも、
マイクロクレジットが普及してうまく回りだす以前の状況に
逆戻りしつつあるようだ。
政治的に人々が支払いをするインセンティブが小さくなっているというのは、
まさにマイクロクレジット以前の農村などの政府系融資と同じ構造になっているわけだから、
逆戻りも当然といえば当然だが。
政府が人々を守ろうと思って行った政策が、実際には逆効果になってしまっている一つの例。