First summer school of Econometric Society in Asia

アジアでもEconometric Societyのサマースクールが行われることになり、
今年はソウルで開催。
Applicationの締め切りは2月28日。
http://econ.hanyang.ac.kr/esSummer2013/app.html


▶ Lecturers

- In-Koo Cho, University of Illinois
- Michihiro Kandori , University of Tokyo
- Ariel Rubinstein, Tel Aviv University and New York University
- Rani Spiegler, Tel Aviv University
- Michael Woodford, Columbia University

生産関数の推定

生産関数の推定には、
Dynamic Panelや
投資額を使ってUnobservable productivityをCaptureするOlley-Pakes(OP)
投資額がゼロのことが多いので中間財投入量を使ってUnobservable productivityをCaptureするLevinsohn-Petrin(LP)
などがよく使われているけれど、
Ackerbergたちのこの論文によって
http://www.econ.ucla.edu/ackerber/ACF20withtables.pdf
OPとLPはMulticollinearityの問題があることが指摘されて、
特にLPでパラメータが推定できる状況というのが非現実的すぎて、
LPはもう使えない。


OPは、労働が完全にFlexibleじゃないという想定のもとで使えて(ただしCapitalは正確にt-1期で決まることが重要。t-1期以前に決まってしまってもだめ)、
AckerbergたちのOPの修正版では、労働がDynamic impactを持つときも扱える。
ただしCapitalは以前として正確にt-1期で決まる必要がある。


Dynamic panelは、
生産性のevolutionがAR(1)でリニアに表現できる、という制約がきついが、
Capitalのタイミングに関してはよりFlexible、
ということもAckerbergたちは書いている。


そんなこんなの展開の中で、
Gandhi, Navarro, and Rivers (GNR) は、
最適化の一階条件という別の制約を課して
中間財の情報を使って生産関数のパラメータを推定する方法を提示。
http://www.ssc.wisc.edu/~agandhi/homepage/Amit_Gandhi_files/Production_GNR.pdf
AckerbergたちもLPの修正版を提示しているけれど、
それに対してGandhiたちはダメだししていて、
Ackerbergたちの方法だと生産性の違いを過剰に推定してしまうことを示している。
本文では完全競争下の一階条件を使っているけれど、
不完全競争の状況にも拡張可能。
これは論文には書いてないので推測だけど、
OPとかLPとかは投資や中間財に影響を与えるUnobservablesがUnobserved productivityひとつだけ、というScalar unobservable assumptionが投資関数や中間財投入関数のInversionのために必要だったけれど、
GNRはInversionもしてないし、
Unoberved productivityの部分が、中間財需要も最終財生産も同じように影響することを利用して比を取ってキャンセルアウトしているので、
Scalar unobservable assumptionがなくてもいけるかもしれない。
Capitalのタイミングについても、t-1期以前に決まることを許容できるし。


ということで、
生産関数の推計は、これからはGNRが使われていくことになりそうだ。

R

Regression Discontinuity Designを実行してくれるRのパッケージ
http://www.drewdimmery.com/introducing-the-rdd-package-beta/


Pythonをベースにした、NumpyとScipyもよさそう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/NumPy
http://numpy.scipy.org/
http://www.scipy.org/

パッケージにOptimizationとかnonlinear equationsとかautomatic differentiationもある。
Rにもautomatic differentiationのパッケージあるのかな。
Rは、簡単な名前過ぎて、検索する時が不便。
「CRAN "automatic differentiation"」
で検索してみたけど、見つからなかった。

途上国のHIV/AIDS感染を止めるには: 公衆衛生学と社会科学の視点

国際ワークショップのお知らせ


アジア経済研究所対アフリカ投資誘致型実証事業
途上国のHIV/AIDS感染を止めるには: 公衆衛生学と社会科学の視点

http://www.ide.go.jp/Japanese/Event/Seminar/121130_hiv.html


1980 年代に感染が確認され、世界各国で多くの犠牲者を出してきたHIV/AIDS。治療薬開発、一部薬剤の特許放棄、簡便な検査薬開発、国際的な資金援助に後押しされ、さらにはミレニアム開発目標にも指定されて、多くの途上国で予防と治療が進んできました。しかし、2010 年現在、世界では治療開始が望ましい人の47% にしか治療薬が行き届いていません。予防を喚起し、検査を促して効果的に治療するために、希少な資源の使いかたが問われています。
UNAIDS 元事務局長で現ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院学長のピーター・ピオット氏の来日を期に、国内外から公衆衛生学および経済学の研究者を招聘し、現時点での予防と治療の到達点を確認するとともに、フィールド経験と科学的論証に基づく有効な対策を議論します。公衆衛生と社会科学の研究者が、共通の目標に向かって異なる視点から政策改善を提言する貴重な機会です。HIV/AIDS のみならず、途上国の公衆衛生、グローバル・ヘルス、保健と経済開発に関心のある方のご出席をお待ちしています。


開催日時
2012年11月30日 (金曜) 10時50分〜16時40分


会場
ジェトロ・アジア経済研究所 C21会議室 
千葉市美浜区若葉3-2-2  最寄り駅 JR京葉線海浜幕張駅


11:00-12:00: Community-based HIV Prevention
Damien de Walque (Senior Economist, Development Research Group, World Bank)
`Evaluating Conditional Cash Transfers to Prevent HIV and Other Sexually Transmitted Infections (STIs) in Tanzania: 1-Year Post-intervention Follow-up'


12:00-12:10: Coffee break


12:10-13:10: Long-Term View
Peter Piot (Director, London School of Hygiene and Tropical Medicine; Former Executive Director, UNAIDS)
`The Global Response to AIDS: The Need for a Long-Term View'


13:10-14:00: Lunch break


14:00-15:00: HIV Prevention, Testing, and Treatment in Medical Facilities
Ikuma Nozaki (Doctor, Department of International Medical Cooperation, National Center for Global Health and Medicine)
`Social Factors Affecting ART Adherence in Rural Settings in Zambia'
Kazuhiro Kakimoto (Professor, Osaka Prefecture University)
`Operational Researches on PMTCT: Cases of Cambodia and Zimbabwe'


15:00-15:10: Coffee break


15:10-16:10: HIV Prevention and Testing at Workplace
Yuya Kudo (Economist, Development Studies Center, IDE)
`Social Relationship and HIV Testing in the Workplace: Evidence from South Africa'
Seiro Ito (Economist, Development Studies Center, IDE)
`Impacts of an HIV Counselling and Testing Initiative: Results from an Experimental Intervention in South Africa'


16:10-16:30 Panel Discussion
Peter Piot (Chair), Damien de Walque, Seiro Ito, Kazuhiro Kakimoto,
Yuya Kudo, Ikuma Nozaki


16:30-16:40 Closing Remarks

NEUDC 2012

NEUDC 2012から帰ってきた。
面白いと思った論文について、以下、出張報告書から抜粋:




Identifying Information Asymmetries in Insurance: Experimental Evidence on Crop Insurance from the Philippines
Snaebjorn Gunnsteinsson; Yale University

Crop Insuranceで、逆選択モラルハザードを、フィールド実験により別々に推計した論文。農家はいくつかのPlotを持っているが、最初にPlotを登録してもらい、その後、保険に入れたいPlotを選んでもらって、Randomizationを行う。Group Aでは保険に入れたいと選んだPlotが保険対象になるが、Group BではどのPlotが保険対象になるかはRandomに決定される。その結果、保険に入れたいと選んでもらったPlotでは保険の有無に関わらず平均的な作物被害額が高いので逆選択の問題があることが示された。病害虫による被害に関しては、保険に加入したことで病害虫被害が増えるというモラルハザードの問題も見られたが、台風などの天候被害に関してはモラルハザードがおきている証拠は見出せず、逆選択のみなので、政府が天候被害に関して補助金を与えて保険を提供することは可能そうである。


Endogenous Insurance and Informal Relationships
Xiao Yu Wang; MIT
マッチング理論を使って、リスク回避的な人がリスク回避的な人とInformal risk sharingを結ぶPositive Assortative Matching(PAM)が起こる条件、リスク回避的な人がリスク愛好的な人とInformal risk sharingを結ぶNegative Assortative Matching(NAM)が起こる条件を導出。政府が保険を提供することにより、ショックの度合いが少なくなるので、それがInformal risk sharingのマッチングにも影響を与えることを明示的に示した論文。この理論をテストするための実証分析の枠組みも提供されている。ただ、One-to-One Matchingを仮定しているが、実際にはOne-to-Manyの可能性もあり、One-to-Manyになることでリスクもプールされるので、全体のマッチングにも影響を与えるはずであり、それによって実証分析による理論のテスト自体も変わってくるはずなので、今後、この点での拡張が求められるはずである。


Factory Farming: The Impact of Agricultural Output on Local Economic Activity in India
Samuel Asher; Harvard University
農業の発展が地元企業の発展にどのような影響を与えるかを、インドの企業データと降雨量データを用いて実証した論文。農業の発展により、賃金が上昇するなど企業の成長に対して負の影響がありうる一方で、地元の需要が増大して企業の成長に貢献したり(Demand Channel)、農業部門での貯蓄が増えてそれが工業部門の投資に使われたりする(Capital Channel)可能性がある。実際の農業生産はわからないので、Proxyとして、降雨量の適切さを使っている。その結果、降雨量が適切だった地域では企業の雇用や投資が大きくなっており、輸送費用が大きく企業の需要が地域の需要に大きく左右されるような地域で企業の雇用が大きくなっているわけではないことから、Capital Channelの可能性を示唆している。細かな企業データがあるはずなので、Demand Channelではないことをサポートするために、需要の所得弾力性が高い企業と低い企業とを比較するとさらに説得力が増すのではないかと思う。


A Market for Lemons: Maize in Kenya
Vivian Hoffmann; University of Maryland
暑さや旱魃のストレス、害虫、不適切な貯蔵などにより、メイズには毒性物質aflatoxinが含まれるようになる可能性がある。この毒性物質は、癌や発育不全などの要因ともなっており危険性が認識されているが、無味無臭なため、消費者には分かりづらい。消費者がaflatoxinの存在を分からないので、aflatoxinのないメイズに対して高い価格がつかず、結局市場には劣悪な財しか供給されないというアカロフのレモン仮説を、ケニアのデータを用いて実証した論文。自家消費しているメイズと比べ、販売されたりアルコール飲料の生産に使われるメイズではaflatoxinの量が多いことが示され、アカロフのレモン仮説と整合的な結果が得られている。情報の不完全性の研究は、近年、金融市場、保険市場において多くの研究成果が見られているが、途上国の農産物市場においては、近年、残留農薬や汚染土壌、偽肥料や偽ハイブリッド種子など、情報の不完全性に起因する問題の重要性が増してきており、こうした生産物市場においても、情報の不完全性の研究、およびそれに対する介入政策の研究が進められていくべきであると感じた。

新人選手は誰もが将来を嘱望されて入ってくるが、誰もがレギュラーになれるわけではない

毎年、スカウトから素質を見込まれたドラフト1位の選手が12人入団して、
でもそんな専門家から素質を見込まれた選手の中でも、実際に成功できるのはほんの一握り。
現代ビジネスの特集で、こんなのを見つけた↓
野球選手だけじゃなく、研究者、ビジネスマン、それぞれの分野で一流を目指す人たちに共通することだと思う。




http://gendai.ismedia.jp/articles/-/18131?page=4

「新人選手は誰もが将来を嘱望されて入ってくるが、誰もがレギュラーになれるわけではない。

 他人より頭ひとつ飛び出すために大切なことは、自分にはプロとして何が足りないのかをいち早く察知し、練習で足りないものを補おうとする積極的な姿勢です。若くして球界を去る者の多くは、何が自分に足りないのか気づけなかった場合がほとんどです」




http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32429?page=2

「例えて言うなら、『本を15分間、読め』と言われて、集中して読めるかどうか」

 元ヤクルトスカウトの矢野和哉は、プロで活躍できる選手の条件を、独特な表現で言う。

 スカウトになり立ての頃、矢野は、当時二軍でコンディショニングコーチを務めていた谷川哲也に、こう言われた。

「伸びるかどうかは、簡単な練習をいかに丁寧にできるかですよ」

 寮のウエイトルームで、一軍と二軍の選手が交じってトレーニングをしている時のことだ。谷川は、ある有望株の野手を指して、

「彼は遠くに飛ばす筋力も、センスも一軍の選手と遜色ない。ピカイチです。練習態度も真面目です。でも、毎日全員に課している15分の基礎トレーニングを、最近ではただ『こなすだけ』になってしまった」

 と矢野に語りかけた。その選手は数年後、一軍半のまま球団を解雇された。

「慣れるということは考えることを止めてしまうことなんです。逆に、同じ練習からでも、昨日と今日では違うことが感じ取れる選手は必ず成長する。それ以来、常に学習意欲と根気のある選手を探すようになった」




http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32429?page=6

自らを的確に認識する能力、細部にこだわる姿勢、意識の継続力---スカウトは今日も観察を続けている。

2012 GRIPS/TWID Conference on "Risks, Social Networks, and Development"

回覧されてきたCall for papersのお知らせ:

*** Call for Papers ****

2012 GRIPS/TWID Conference on "Risks, Social Networks, and Development"

We consider papers for a conference on risk, social networks, and empirical development microeconomics sponsored by GRIPS and University of Tokyo.

Date: Tuesday December 27, 2012
Venue: GRIPS, Roppongi, Tokyo

To be considered, paper abstracts should be sent by e-mail to Jonna Estudillo AND Yasuyuki Sawada no later than Sunday November 25, 2012.

The full paper deadline for the selected papers will be on Monday December 10, 2012. Discussants will be assigned to the papers selected for the conference. We will provide financial support for paper presenters coming from outside of Kanto (greater Tokyo) area.