カウンターファクチュアルの日本語訳=「反事実的状況」

Twitter上でも過去何回か
「カウンターファクチュアル」ってどう日本語で訳す?
というのが飛び交って、
だいたい「反実仮想」で落ち着くのを静観していたが、
「反実仮想」って、
「仮想」という言葉がバーチャルリアリティの仮想を想起させて
初めてその言葉に触れる人には意味が「?」だったり、
4字熟語で専門用語の香りが漂いすぎて、
個人的には好きじゃなかったので、
今回 @arimotoy さんの「counterfactualのよい定訳ってあるのでしょうか?」というつぶやきに乗って、
「反事実的状況」という訳を提案。


「反実仮想」なんかより、よっぽど分かりやすいと思うし、
これからはカウンターファクチュアルをあえて日本語に訳す時は、
「反事実的状況」と訳すことにしようと思う。


ということで、「カウンターファクチュアル」の日本語訳は「反事実的状況」と
勝手に認定。



追記:
Counterfactualの訳語は「反事実的状況」がいいだろうと思って
試しに"反事実的状況"でぐぐったら、
外務省の2003年の援助評価の基本用語集(2002年OECD発行のEvaluation and Aid Effectiveness No. 6 - Glossary of Key Terms in Evaluation and Results Based Managementの邦訳版)で
「反事実的状況」が使われてるのを発見。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/hyoka/dac_yogo.html


Counterfactual
The situation or condition which hypothetically may prevail for individuals, organizations, or groups were there no development intervention.

の訳として

反事実的状況
開発インターベンションが行われなかったとしたら、当該個人、組織、グループが置かれたであろうと想定される状況あるいは状態。

と書かれてある。
2003年の時点でCounterfactualを認識してたOECD、なかなかやるなと思った。


「日本語版発行によせて」として、以下の文章が書かれてある。

 DAC評価基本用語集日本語版は、外務省、JICA、JBIC、日本評価学会が共同で翻訳したものです。本用語集は、DACが作成した用語集を翻訳したものであり、翻訳にあたっては、開発援助で使用される評価用語であること、また、既に定着している訳語との整合性を勘案しました。この日本語版は、最終版ではなく今後も随時改訂致します。

平成14年12月

外務省経済協力局評価室
国際協力事業団企画・評価部評価監理室
国際協力銀行プロジェクト開発部開発事業評価室
日本評価学会

うーん、JICA、JBICの評価担当が作成にあたっていたのか。
2003年に作成しているわりには、Counterfactualをどう考えるかという認識の援助機関内での普及が、その後イマイチだったように思うのだが。。。